■ 尿前の関(しとまえのせき)/鳴子
 新暦7月1日。平泉からの戻り道、「岩手の里(現 宮城県岩出山)」に泊まり、山形県側への山越えの旅に出る。
鳴子温泉を過ぎ、出羽の国(山形県)を越えようと尿前の関に着いたが、この険しい道は通る人も少なく怪しまれて
なかなか通してもらえなかった。その昔、義経が逃げ延びたコースとも言われているので足止め食ってもしょうがな
いところか。
 紅葉の名所、鳴子峡に沿った道(旧道)・「鳴子峡の鳴子側入口」の近くに、尿前の関はある。
ガイド図の右手下に、JR陸羽東線鳴子温泉駅近くを経て、大谷橋を渡って右手・川の上に関所マークがご覧
いただけると思います。

ポスターなどでお馴染の右の風景は、ガイドの中央の橋です。
 尿前の関手前から、鳴子温泉郷を見る。左の写真の所を進み、旧道に外れ、西に進むと「尿前の関」が現れる。
 
 鳴子温泉の有る地区は、古くは多賀城から秋田方向に行く奥羽山脈を越える街道(山道)筋に位置する。
維新戦争の時も、伊達藩が陣を敷くほどの要衝であり、ここに尿前の関(しとまえのせき※)が設置されていた。
 芭蕉一行はやっと通行を許可され、出羽の国(山形県)入りします。


※尿前と言う名前がユニークですが、義経一行が平泉に逃避する際連れていた幼児が初めておしっこをした場所
 から来ているらしい。
 関所跡の前に有る芭蕉句碑。 「蚤虱(ノミ、シラミ) 馬の尿(しと)する 枕もと」が自然石に彫られている。
芭蕉がここを通過した80年後に、地元の人が建立したもの。
 史跡「出羽仙台街道中山越」の碑と、古道。関所跡から国道47号線に出られる。[駐車場、有ります]
 最近、紅葉の名所・鳴子峡レストハウス駐車場と大深沢橋の東側を結ぶ「大深沢遊歩道」が整備されていた。
遊歩道は、ほぼ水平に上流を目指す散策路であるが、折り返しのところで「奥の細道」と表記されている出羽街道
大深沢の古道に出る。僅かな距離であるが芭蕉が歩いた路に遭遇しました。(2010.11.3)
 大深沢を渡る小さな橋。遊歩道はここから沢沿いに東側に戻るが、古道は写真の手前側に登って行き47号線に
出る。