吊るし飾り(つるしかざり)とは伝統工芸の一種で、雛祭りの際に、糸の先に
布製のぬいぐるみ人形などを吊るして 雛人形とともに飾るものだそうです。
北は山形の傘福(山形県酒田市)、南は柳川のさげもん(福岡県柳川市)、
そして伊豆の雛のつるし飾り(静岡県東伊豆町稲取地区)の三つが
歴史も根拠もある日本三大手芸(=三大つるし飾り)と呼ばれているそうです。 それぞれの特徴は次の通りです。
山形県酒田市『傘福』
もともとは、観音堂に安産や子供の成長を願って地元の神社に納めたもの
だそうで、昔から傘の中には魂が宿るといわれ、今日と祇園祭でお馴染みの
笠鉾の様に陣立ての傘に短い幕を張りそこにぬいぐるみを吊るします。 61種の細工があるそうです。
九州福岡県柳川市 『柳川さげもん』
こちらは、手鞠が特徴のようです。さげ輪に縮緬細工と柳川まりを7列の赤糸に
7個交互に49個吊るし、さらに中央に大まり2個を加え計51個とするようです。
静岡県静岡県東伊豆町・伊豆稲取温泉 『雛のつるし飾り』
ここのは、竹の輪に紅白の布を巻きつけ、五本の赤い糸に11個の
(或は奇数の数の)=55個のぬいぐるみを吊るしたもので、雛壇の両脇に配します。
110個のぬいぐるみが並ぶことになります。
起源は江戸時代だそうで、一般庶民には雛壇を飾ることも出来ないので
はぎれを使って祖母や母親が手作りでつくり飾ったものとの説も有るようです。
長女が生まれると作って、成人すると正月の14日の『どんと焼き』で燃やしたそうで、
古いものは殆ど残っていないとのことでした。 |
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