各地に自生するノハナショウブの中から、花の色や形に変化のあるものを探しだして栽培するようになったのは、
室町時代から江戸時代の始めの頃です。
花菖蒲栽培初期の品種群と思われるのが、山形県長井市のあやめ公園に保存されている長井古種です。
長井より少し南に位置する飯豊町萩生(はぎう)で伝統的に育成されてきていて、この花菖蒲が、明治43年に
現在の長井市あやめ公園の地に移され現在に至ったもので、無数の実生株から現在約30の品種が選抜保存
されています。
花色は多彩ですが、花形は原種のノハナショウブの面影を色濃く残し、野趣にとんだ爽やかな容姿が見所で、
強健な性質を持ち放任栽培にも耐え、楚々とした風情は切り花や茶花にも好適とのことです。 |