■ 瀋陽故宮 その②  2018.5.4
   
  瀋陽故宮全景図  
  清朝の前身である「後金の国」がそれまでの都・遼陽からここ瀋陽に遷都した時、太祖ヌルハチと
太宗ホンタイジが造営した皇宮で凡そ70以上の建物や楼閣が並んでいる。

 建物群は、北京の故宮に次ぐ完全な形を保っており、蒙古民族・満州民族・漢民族の建築の特徴を
備え持っているとの事である。

 1625年に着工して1636 年に完成。 瀋陽故宮の総面積は約6万㎡あり、北京の「故宮」の12分の1の広さ。
 1644年に順治帝は、瀋陽から北京に遷都したが、遷都後も歴代皇帝は東北地方の巡行の際に
この宮廷を訪れた。 それが保存状態の良さに繋がったのであろう。

 瀋陽故宮は東から東路・中路・西路の三つの部分に分かれている。
東路は瀋陽故宮の中で最も古い建物群で努爾哈赤(ヌルハチ)によって建てられたもので、
中路は皇太極(ホンタイジ)により、西路は乾隆帝によって建てられたものである。
  太廟正門   東大門
  太廟正門  
  大清門  
 
  扁額と見事な龍の彫刻。  柱の上の軒を支えるのは「トキョウ※」と呼ばれています。
全体のデザインの龍は皇帝の龍なので「5本指」です。

 ※ 斗抾(ときょう)

梁や桁にかかっている荷重を柱に伝える役割を持っています。

上部の接点は分散させ、梁や桁の接点の負荷を軽減しつつ、分散して集めた荷重を柱へと
1点に集中して伝えます。部位単位では最も部品数の多い箇所。

社寺建築の代表的な様式で、斗組(ますぐみ)、枡形(ますがた)、組物(くみもの)、斗組(とぐみ)
等と呼ばれています。
 大清門を入ると中路の正殿「崇政殿」に出る。皇太極の執務室だった所だ。
 崇政殿に向かって右手の日時計と防火用の甕。
左手には、枡の原器「嘉量」が有ったが撮影失敗。
  屋根には防火のお守りと、シビ。
  両端の柱には龍の彫刻   一段上の写真の拡大。龍が咥える玉。
シビには背中に宝剣が刺さり屋根を固定する。
 左右に龍が絡みつく崇政殿の玉座  
  皇帝が輿に乗ったまま通過する石段の龍   もしかしたら「麒麟」かな? 撫でられて光ってます。