■長谷寺門前町・奈良県桜井市初瀬(はせ)
 「牡丹寺」として有名な長谷寺の門前町には昔の面影を色濃く残した建物群が有ります。
奈良県桜井市は、五世紀に雄略天皇が皇居を置いた場所で、皇居跡とされるところはこの近くに有ります。
駐車場からの町並み入り口 五月には牡丹が咲きます
(庭園の花は終わって鉢植えが並んでいました。H16.5)
 古い建物共通ですが『町人が武士を見下ろしてはならない』とのことで、江戸時代の町屋は二階部分が低く作られ物置などに利用され、
通気・明り取りには『虫籠窓(むしこまど)』が設置されています。
『うだつ』…うだつが上る・上らないの「うだつ」は、防火等の目的の為に隣家との堺に建てられて「屋根つき」の壁。左上の写真は、うかつ
にも、「うだつ」を意識せず、現在店舗になっている手前の虫籠窓を撮影したものですが、その隣にはうだつらしきものが写っていました。
 うだつと同じ目的の二階の壁は『袖壁』です。
袖壁は二階部分の両袖に作られているもの。独立した小屋根が
葺いてあるのが『うだつ』と、別けられるようです。
 二階の部分が、土壁の虫籠窓のお宅。
 二段上の写真の『袖壁』もそうですが、何かしら飾り(凝っていると屋号など)が付いているようです。
 長谷寺の直ぐ近くには駐車場がなく、観光バスで行くとかなり手前の駐車場で降ろされ門前町を歩く事になります。
牡丹の時期には牡丹が、桜の時期には桜が気になりひたすら長谷寺まで急いでしまいますが、改めて見てみると、古い町並みとしての景観
もなかなかのものですね。
 全国の古い町並みを歩くと目に入る繊細な出格子は、情緒が有りますが詳しくは分りませんが明治時代に入ってから流行したもののようです。