■ 富山県 八尾町(現・富山市)の町並み その1       その2へ
 ♪咲いて儚い酔芙蓉♪ 石川さゆりの『風の恋盆踊り』で爆発的な人気スポットになった越中八尾のおわら風の盆で有名な八尾町(現富
山市)。 人口2万3千人位の町に30万近い観光客が押し寄せ”危険な状況”になっている。観光対策として観光客向けに駐車場等の施設
を増設したい所ですが宿泊施設を持っていないことからその割に経済効果は期待できず頭を痛めているようです。   
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八尾町は飛騨山地と富山平野が接する交通の要にあり、聞名寺[八尾町今町・16世紀半ばの開基の浄土真宗の巨刹]の門前町として
発展しました。
藩政時代から養蚕と紙で栄え、「富山藩の御納戸」とまで呼ばれて経済的に貢献したと言われています。
 幕末の流通ルートの拡大に伴い、養蚕の卵・蚕種が全国の四分の一を占め輸出では五分の一を占めたほどであったそうです。

 「風の盆」を見に行くと綺麗な町並みがありますが、上の事情を知らないとこの町は何で食っていたのだろう?と疑問に思います。
 八尾町の景観の美しさの一つに、井田川から見上げた西町、下新町の石垣が有ります。
 大きな土蔵も残り往時の財力の大きさもうかがえます。
 八尾型住宅と言われる黒瓦、白壁、出桁、杉の下見板(外壁の板張り)、木庇の下に日差し除けの「雁垂れ」と呼ばれている(↑だと思う)
物がついています。 建物自体はかなり最近建築したものと思われますが伝統的な建物を復活しようとの活動の成果と思われます。
 八尾の旧町内は二つの通りで構成されています。一つは次の頁で取り上げる「石畳の道」と、曳山会館(広場ではおわらの舞台踊り
が見られる)が有る通りです。 中心となる通り沿いは商店街となっており殆ど近代的な建物が占めています。
 中心地を離れると伝統的な建物が点在しています。
 こちらのお宅も作りは新しいですが、黒瓦、白壁、袖壁、出桁・腕木、板庇と庇の下の雁垂れなどの特徴を現す立派な造りです。