■ 大内宿(福島県南会津郡下郷町)
 大内宿は、福島県の猪苗代湖・会津若松市の南側に位置します。[会津鉄道「湯野上温泉駅」から6Km]    ☆Map ☆
現在の国道121号線、日光街道の延長として、栃木県日光市のとなり今市市から福島県会津若松市を結ぶ街道(「会津西街道あるいは
南山通り」と呼ばれた)に有りました。 旧道は、この辺りで山越えの街道となり、江戸初期から街道を通る物資輸送の為の
「継ぎ送り(※)
の馬を持ち、また旅人を泊める宿屋などが発達し、大名の参勤交代のための『問屋陣屋』などが有りました。
 人通りは少なかった事から普段は、山間の田畑を耕作し『
駄賃稼ぎ(※)』をする半農半宿で生計を立てていました。

 明治も、17年に入り別の道が整備(東側を通る現在の国道121号線)がされ物資は馬車で運ばれるようになり、大内宿は駄賃稼ぎが出来
なくなってしまいます。 男たちは出稼ぎに出ましたが『会津茅手』などと呼ばれる屋根葺き職人としても活躍しました。

 戦後、電気水道が通り、屋根もトタン屋根に代わり始めますが、昭和40年代にこの宿場としての価値が見直され、昭和56年に、国の
『重要伝統的建造物群保存地区』に指定されてから、整備が進み街道沿いに、約40軒の茅葺き民家が当時の面影を残しています。
いまでは昔ながらの家屋を生かした宿や食事処、本陣を復元した大内宿町並み展示館などがあります。
入り口から、奥まで10分程度で歩けます。

※継ぎ送り・駄賃稼ぎ=江戸幕府の公用で旅をする人たちのために、その人たちの荷物を宿場から宿場へと、次から次へリレー方式で
受け継いで送ることを「継ぎ送り」といいます。このため各宿では、荷物を運ぶための人足と馬を常備することが義務づけられていました。
一部無料で奉仕(代わりに税金減免)するものもありましたが、それ以外は有料でした。これを駄賃稼ぎと言います。
 宿場の一番奥に構える建物で食事処になっています。
宿場を流れる清水。飲み水としても利用されていました。
 建物の大部分は、お土産屋さんとして営業しています。
 TVで紹介されたことも有ると言う箸の代わりに「ネギ」で食べるお蕎麦屋さん。  時間的に昼食の後だったので、暖かい甘酒で我慢です。
 旧「問屋本陣」を復元した『町並み展示館』。 宿場の資料などが有ります。
 内部の様子
 山間に発達した宿場を散策し江戸時代にタイムスリップ。当時を想像しながらこの地を後にしました。