■ 初恋通り- 仙台駅東口
  初恋通り     
 
    詩にうたわれている少女は、麓から頻繁に登って来た。
 藤村の実家は雑貨をも扱っていたようであるが、少女は大体は買い物をするわけでもなく集まって来た子供たちと遊ぶと帰っていった。
 
 …詩「初恋」でイメージされるリンゴ畑の細道
 
 ※現実には幼馴染の「おゆうさん」とのデートコースであったようだ。
 
        初恋

    まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)の
    林檎(りんご)のもとに見えしとき
    前にさしたる花櫛(はなぐし)の
    花ある君と思ひけり

    やさしく白き手をのべて
    林檎をわれにあたへしは
    薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)に
    人こひ初(そ)めしはじめなり

    わがこゝろなきためいきの
    その髪の毛にかゝるとき
    たのしき恋の盃(さかづき)を
    君が情(なさけ)に酌(くみ)しかな

    林檎畑の樹(こ)の下に
    おのづからなる細道(ほそみち)は
    誰(た)が踏みそめしかたみぞと
    問ひたまふこそこひしけれ

         <島崎藤村-1972~1943年>
     
 
    仙台駅東口広場から「藤村広場」に至る細道が「初恋通り」と名付けられている。
 
    仙台市青葉区名掛丁には島崎藤村が下宿した宿がありました。
 
     
 
   「藤村広場」…若菜集の表紙デザインの「蝶」が描かれている。
 (👆 一段上の写真の若菜集表紙デザインを参考にしてください)
     
 
    島崎藤村の実家は馬籠宿の峠に有り「馬籠宿・本陣」を営み、雑貨をも扱っていたようだ。
 
   藤村記念館  
 
   藤村の初恋の人とされる幼馴染の「おゆうさん」の家は隣の大黒屋であった。