■ 室の八嶋(大神神社 栃木県栃木市)
 1689年新暦5月18日、千住を経って初めての『観光地』歌枕の地・室の八嶋(むろのやしま)に詣でた。
同行の曾良の言うことには「この神社の神は、コノハナサクヤヒメの神と申しまして、富士の浅間神社と同じ神です。
この神様が不貞を疑われた為に無実を立証する為に出入口の無い無戸室(むとむろ)に閉じこもって彦火火出見の
尊を出産したことから、この地を室の八嶋と申します。この地では、和歌を詠むときは煙を詠む習わしになっています。
また、この地ではコノシロと言う魚を食べる事を禁止しています。
このような神社の由来が世の中に伝えられています。」との事だった。
  
 折角、一発目の観光地に立ち寄ったのですが芭蕉には余り関心が無かったかして曾良の名前を借りて観光地案内を記述するのみです。  
 この日、五年に一度開催される小江戸蔵の街・栃木県栃木市の『とちぎ秋祭り』を見に行ったのですが直ぐ近くに奥の細道ゆかりの地室の
八嶋が有る事から立ち寄ることにしました。
 東武日光線で3つめの駅野州大塚駅に降り立ち、駅の横を通る道を南に進んで最初の信号を左折、(尚、ここには信号を真っ直ぐ進むよう
な標識が有ったが無視⇒車ではこちらでも良さそうだが遠回りになる)暫く進むと歩道橋が有りその先に「大神神社(おおみわ)」の大きな看
板が出ているのでそこを右折すると神社の鳥居が見えます。その距離、駅から 1.2kmで15分くらいの行程です。
 鳥居と参道  神社の拝殿
 案内板
 鳥居から短い表参道を進むと左手に神社、右手に室の八嶋が有ります。境内から、赤い鳥居をくぐって室の八嶋に入りますが、その右手
に松尾芭蕉の句碑が有ります。 なお、この句は奥の細道には記載されてはいない。

 いと遊(ゆう)に 結びつけたる けぶりかな
 小さな島が石橋で結んでいます。数えたら確かに八っつ有りました。4っつ目は、↑ 富士浅間神社の小祠です。
 境内には幾つかの句碑が点在しています。
写真右上のは藤原定家
「くるる夜は衛じのたくいをそれと見よむろのやしまも宮こならでば」の歌碑。
  
芭蕉ゆかりでは、(写真を撮り忘れましたが)芭蕉の追慕の旅の対象者・宮城県で命を落とした藤原実方(さねかた)の
「いかでかはおもいあるともしらずべきむろのやしまのけぶりならではが有名です。