■ 石巻その2  金華山(きんかさん・宮城県石巻市)    石巻 その1  石巻 その3
 おくのほそ道の石巻のところで出てくる金華山の頁です。
石巻市の北上川河口付近にある高台・日和山公園に登ると、河口を見下ろすところに芭蕉と曾良の銅像があります。
八重桜の時期なので、子供達が桜の花びらを飾って遊んでいました。
 位置関係は、左上の写真( (社)石巻観光協会牡鹿事務所作成のパンフレット)で説明すると、左上が芭蕉像のある
石巻市日和山、右下が金華山(金華山という名前の島)です。
 金華山に渡るためには牡鹿半島の先端にある鮎川から出ている定期船を利用します。
 日和山からの牡鹿半島の遠望。
水平線の右側は田代島と奥に網地島(あじしま)、左側の濃いのが尾埼でその後方うっすら見えるのが鮎川方面。
 連絡船から見る金華山の全貌
 鮎川港から定期船に乗って出発  20分で金華山港に到着です
 金華山はそのほぼ全島が黄金山神社の神域で、昭和53年に国定公園に指定されています。
江戸時代ごろは青森県の恐山、山形県の出羽三山と共に奥州三大霊場と言われ修験者の修行場として有名で
した。
 鳥居を潜って進み、道なりに右手に回ると表参道・裏参道の分岐点があります。その付近に「奥の細道」木標が
あります。後ろの石碑は土井晩翠の歌碑です。
 奈良公園と同じく人懐こい鹿が沢山生息しています。今の時期、八重桜の花びらもご馳走のようです。
 鳥居の所から石段を登っていきます。  隋神門
 御拝殿  弁財天堂
 昔から金が出た所(※下の記述参考)として信仰厚かった黄金山神社、金運・開運の神様として弁財天が祀られて
います。

 ◆日本初の産金の地
 
 芭蕉が奥の細道で石巻を訪れた時を含め、江戸時代までは日本で初めて金(砂金)が採れた所の神社と認識され
ていた。 現実には、金華山で金が採れたと言う事実はない。
  
奈良時代、奈良・東大寺の大仏に鍍金(ときん)する「金」の不足に悩んでいた聖武天皇の元に陸奥国守百済王敬福
から900両(13kg)の砂金が献上され、多いに喜んだ。これを伝え聞いた万葉集の編者・大友家持は、初の産金を祝し
『天皇(すめろき)の 御代栄えむと 東なる 陸奥山に 金花咲く』
と詠み、万葉集に残している。
 
 現在では、初産金の地は同じ宮城県の涌谷町であり、そこの黄金山神社が産金の神社として認定されているよう
です。
 
 みちのくで金が出た時期に「金の神様を祭る神社」を創建した事から、「産金の地」と混同されたのでしょう。
 宮城県涌谷町の黄金山神社。 ↑奥の建物は産金資料館「天平ろまん館」。
 涌谷町の黄金山神社と大友家持の歌の解説版